反捕鯨団体「シー・シェパード」の元代表の引き渡しを認めず、釈放したデンマーク側の判断をめぐり、林官房長官は、自民党の特別委員会のメンバーと面会し、極めて遺憾だとしたうえで、日本政府として対応を検討していく考えを伝えました。
反捕鯨団体「シー・シェパード」の元代表、ポール・ワトソン容疑者は、日本の調査捕鯨船に対する妨害行為を指示した威力業務妨害などの疑いで国際手配され、デンマーク領グリーンランドで拘束されましたが、デンマーク司法省は、日本への引き渡しを認めない判断を示し、釈放されました。
これを受けて、自民党の捕鯨対策特別委員会のメンバーが総理大臣官邸を訪れて林官房長官と面会し、「デンマークの対応は、誠に遺憾であり不服だ。なぜ、このような事態に至ったのかや、日本とデンマークの2国間関係への影響を検証してほしい」と要望しました。
これに対し、林官房長官は「今回の決定は全く受け入れられるものではなく、極めて遺憾だ」と述べたうえで、申し入れも踏まえて、日本政府として対応を検討していく考えを伝えました。
面会のあと、特別委員会の委員長を務める鶴保元沖縄・北方担当大臣は、記者団に対し「今回の問題は刑事事件であり、日本には、法の支配を国際社会に強く求めていく権利と義務がある。政府には、そういう態度で、二度と起きないように、各国に注意喚起してほしい」と述べました。