ドジャースタジアムにて。山本由伸投手と共に、安達了一選手、小田裕也選手、T-岡田選手と記念撮影【本人提供】
今年もオフシーズンがやってきた。ドラフト会議が終わり、ストーブリーグも本格化。各球団が来シーズンに向けて動き出している。 一方で、今シーズン限りでプロ野球選手生活を終えた人たちもいる。今回は、オリックスの先輩4名に惜別の言葉を贈ろうと思う。 ◇ ◇ ◇
2014年ドラフト同期【本人提供】
まずは同期入団の小田さん。 小田さんと僕は2014年ドラフトの同期。8位と9位ということで、入団会見などではいつも隣に並んでいた。当時、僕は18歳だったこともあり、7つ年上で大人な雰囲気があった小田さんは少し近寄りがたかった。でも、話してみるととても優しく接してくれて、こんな大人になりたいと思える人だった。 プロでは堅実な守備とここ一番で任せられる走塁技術から、代走や守備固めとしての出番が多かった小田さん。これからは育成コーチとして、その技術を後輩たちに伝えていってほしい。 次は安達さん。 安達さんは僕の入団当初から、レギュラーで球団の顔として活躍されていた。そのため、最初はなかなか話す機会がなかったが、調整で二軍の試合に出たときに、僕が投げている後ろを守ってくださり、ピンチになると声もかけていただいた。そして、なんといっても球界ナンバーワンの守備力は投げていて本当に安心感があった。 また、難病を負い制限がかかるなか、チームのために尽くしてきた裏側も見ていたので、引退した今「本当にお疲れ様でした」と伝えたい。安達さんも引退後、来季から一軍内野守備・走塁コーチとしてチームに従事されるということで、長年チームを支えてきた名手の技術や考え方をオリックスに広めてもらいたい。 そして比嘉さん。 比嘉さんには、投手としてプロでやっていく心構えを教えていただいた。 特に印象に残っているのはリリーフの心構え。抑えたとき、打たれたときのどちらも、その日は喜び、悔しがり、反省をするけど、日付が変わったら気持ちを絶対に切り替えるということだった。長いシーズンがある野球は、良いときもあれば悪いときもある。それに振り回されず、安定した成績を残し続ける比嘉さんからのアドバイスは特に響いた。 比嘉さんも来季からは、一軍投手コーチを務めるとのこと。たくさんの引き出しを持つ比嘉さんは、若手投手陣にとって最高のコーチになることは間違いないと思う。
最後はT-岡田さん。 Tさんとは、今阪神に在籍する漆原(大晟)投手と3人で、2カ月ほどプエルトリコのウィンターリーグへ行った仲だ。プエルトリコに行くまではそれほど関わりがあったわけではなく、正直なところ怖そうな印象を持っていたが、一緒に生活してみると歳の離れた僕たち二人にもすごく気を遣ってくれて、優しさが伝わってきた。 それ以来、僕がオリックスを離れるまでとてもお世話になり、大先輩ながらお兄ちゃんのような感覚で甘えさせてもらった。 Tさんは一度球団から離れるということで、解説などで目にする機会がたくさんありそうだ。個人的には、Tさんは将来のオリックスに必要な人だと思うので、何らかの形でチームを支えていってほしいと勝手ながら願っている。 ◇ ◇ ◇ 僕が入団当初からオリックスに在籍していた大先輩4名が今年で引退となった。 悲しく寂しい思いもあるが、野球人としても一人の人間としても素晴らしい4名は、これからのオリックスに力を与えてくれるだろう。僕も今はオリックスから離れているが、高校を卒業してから7年間お世話になったオリックスに恩返しができるよう、引き続きいろいろなことに挑戦していきたいと改めて思った。 文・鈴木優
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