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text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2024/12/25 11:45
幼馴染の坂本勇人(右)と同じ巨人でプレーすることになった田中将大
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巨人は今オフ、中日で通算166セーブを挙げたライデル・マルティネスを獲得した。安定感抜群のマウンドで、今季は60試合に登板し2勝3敗43セーブ、防御率1.09。これまで2度のセーブ王を獲得している“絶対的守護神”だ。
「最近の野球でいうと、『ゲームを作るのは先発。勝つのは後ろ』。これは鉄則になっていると思います。結局、近年優勝を争っているチームを見るとどこも後ろが安定している。マルティネスがいて、大勢がいて8回、9回が決まれば、戦い方は本当に楽ですよ。先発が6回まで投げれば7回を誰に任せるのかだけ考えればいい。先発は5回まで3点以内に抑えてくれればいいわけですから、計算は立ちやすくなります」
その意味で、巨人の今オフの補強の最大の収穫はライデル・マルティネスの獲得だったと言える。投手陣は、後ろが盤石となることで先発も幅広いやりくりが可能になる。巨人の投手陣に生まれる“余裕”は、登板間隔や起用法に配慮が必要な田中将大にとっても大きなメリットとなりそうだ。
「今年は大勢につなぐところまで苦労した面もあったけれど、マルティネスを獲ったことでそれが半分以上減るわけですから。新外国人やFAで加入した甲斐(拓也)も加わって、優勝しても補強の手を緩めなかった。巨人は来年も強いと思いますよ」
そもそも、各球団が新シーズンに向けて描く構想は、どの時点から始まり、どのように進んでいくものなのか。後編は元編成トップの視点から、上沢直之投手のソフトバンク入りなど、今オフ波紋を呼んだ選手獲得にまつわる問題点について聞いた。
松井 優典(まつい まさのり)
1950年6月26日、和歌山生まれ。星林高から1969年にドラフト3位で南海入団。捕手から内野手に転向し、1975年にヤクルトへ移籍。1979年シーズン限りで現役引退し、野村克也監督のもとで二軍監督、チーフコーチなどを務めた。99年には野村監督とともに阪神へ移りヘッドコーチなどを務めた後、編成担当を任された。2005年に楽天入りし、初代二軍監督に。その後はヤクルトで二軍育成コーチや編成部長を歴任した。現在は野球解説者。
#2に続く 「上沢直之ソフトバンク入り」は“恩知らず”か? 野村克也監督の“右腕”に聞いた「ストーブリーグの論点」「メジャー挑戦はもう止められない」