来季も成功例は現れるか。2024年の現役ドラフトでパ・リーグ球団に移籍した6選手を紹介|パ・リーグ.com|プロ野球

本田圭佑投手【写真:球団提供】

12月9日、2024年度の現役ドラフトが開催された。今季は北海道日本ハムに移籍した水谷瞬選手が新天地でブレイクを果たして交流戦MVPに輝き、チームの2位躍進にも大きく貢献しただけに、来季も同じく移籍先で躍進を見せる選手が現れるかに注目が集まっている。 今回は、2024年の現役ドラフトでパ・リーグの球団に移籍した6名の選手たちの球歴と、新天地において期待される役割について紹介。現役ドラフトの新たな成功例となる可能性を秘めた選手たちについてより深く知るとともに、今後のさらなる活躍にも期待を寄せたい。

吉田賢吾選手 年度別成績 ©PLM

吉田賢吾選手は横浜商大高校、桐蔭横浜大学を経て、2022年ドラフト6位で福岡ソフトバンクに入団。プロ1年目の2023年は一軍での出場機会こそ1試合にとどまったが、二軍では32試合で2本塁打、打率.310と好成績を記録。2年目の2024年も二軍で79試合に出場して3本塁打、打率.303と活躍したものの、一軍では10試合の出場で打率.192に終わっていた。 本職は捕手ながら2024年は二軍で主に一塁を守っており、複数ポジションをこなせる点は打力を活かすうえでもプラスとなりうる。二軍ではプロ入りから2年連続で好成績を残しているだけに、同じく現役ドラフトで福岡ソフトバンクから北海道日本ハムに移籍して花開いた水谷選手と同様に、新天地でブレイクを果たす可能性は大いにありそうだ。

柴田大地投手 年度別成績 ©PLM

柴田大地投手は日体荏原高校、日本体育大学、日本通運を経て、2021年のドラフト3位で東京ヤクルトに入団。1年目の2022年は二軍で29試合に登板したが、防御率4.70と安定感を欠いた。2年目の2023年も二軍で40試合に登板して防御率5.59と苦戦が続いたが、2024年は二軍で2年続けて40試合の登板を果たし、防御率2.17と安定感を飛躍的に高めてみせた。

一軍での登板は過去3シーズンでわずか2試合にとどまっているが、社会人時代に最速150km/hを超える剛腕として注目されたポテンシャルは大きな魅力だ。二軍において着実な成長を示している点も期待が持てる要素だけに、新天地では一軍での登板機会を増加させ、本格派としてブルペンで異彩を放つ存在となれるか。

平沢大河選手 年度別成績 ©PLM

平沢大河選手は仙台育英高校から、2015年のドラフト1位で千葉ロッテに入団。高卒3年目の2018年には外野手の主力を務めて112試合に出場して将来を嘱望されたが、翌年以降は打撃不振と故障が重なり出場機会が減少。2022年にはイースタンリーグの首位打者と最高出塁率の2冠に輝いたものの、一軍では通算打率.190と本領を発揮しきれずにいた。

打率と出塁率の差を示す「IsoD」という指標がキャリア通算で.103と非常に高く、一軍でも通用する優れた選球眼を持つ点は大きな武器だ。二塁、三塁、外野のレギュラー争いがこれから始まるという埼玉西武のチーム事情も平沢選手にとっては追い風となり得るだけに、かつてのドラフト1位選手が一軍の舞台で輝きを放てるかに大きな注目が集まりそうだ。

石垣雅海選手 年度別成績 ©PLM

石垣雅海選手は酒田南高校から、 2016年のドラフト3位で中日に入団。2018年のフレッシュオールスターでは本塁打を放ってMVPに輝く活躍を見せ、一軍でも2022年に50試合で3本塁打を記録。二軍では2020年に40試合で打率.372、2023年に66試合で打率.284と好成績を残すシーズンはあったが、一軍では通算打率.136と確実性に課題を抱えていた。

2024年には二軍で内野の全ポジションを守っており、高いユーティリティ性とパンチ力のある打撃を兼ね備えた存在だ。千葉ロッテでは2024年に三塁手を務めた中村奨吾選手が二塁への再転向を視野に入れており、二塁、三塁、遊撃と確固たるレギュラーが不在のポジションが多い。石垣選手はこのチャンスを活かし、一気にブレイクを果たしたいところだ。

本田圭佑投手 年度別成績 ©PLM

本田圭佑投手は東北学院高校から東北学院大学を経て、2015年のドラフト6位で埼玉西武に入団。プロ4年目の2019年には先発として6勝を挙げ、チームのリーグ優勝に貢献した。2022年には中継ぎに転向して45試合で20ホールドを挙げ、防御率1.97と抜群の安定感を発揮。続く2023年も25試合で防御率1.56と好投し、ブルペンの一角として存在感を放った。 2024年は31試合で10ホールドを挙げたものの、防御率4.11とやや安定感を欠いた。それでも、2022年から2年連続で防御率1点台を記録した実績は非常に頼もしい。パ・リーグにおける経験も豊富なだけに、移籍をきっかけに復調を果たせば、リリーフ陣に負傷者が相次ぎ5位に沈んだオリックスのブルペンに厚みをもたらす存在となることだろう。

上茶谷大河投手 年度別成績 ©PLM

上茶谷大河投手は京都学園高校、東洋大学を経て、2018年のドラフト1位で横浜DeNAに入団。プロ1年目から25試合に登板して134イニングを消化し、7勝を挙げて防御率3.96と先発として活躍を見せた。その後はやや安定感を欠いて登板機会が減少したが、2023年にはリリーフに転向して幅広い役割をこなし、46試合で防御率2.11と安定した投球を見せた。 2024年は18試合の登板で防御率4.37と成績を落としたが、先発とリリーフの双方で活躍し、リリーフとしてもさまざまな役回りに適応したマルチな才能は大きな武器だ。新天地でも質・量ともに充実した投手陣に割って入り、リーグ連覇と日本一奪還を目指すチームにおいても貴重なピースとしてフル回転を見せる可能性は十二分にありそうだ。 高いポテンシャルを秘めた若手に実績十分のリリーバーと、今季もさまざまな選手が現役ドラフトによって新たなチームに加わった。来たる2025年のシーズンにおいてどの選手がチャンスを活かしてブレイクを果たすかは、ファンならずとも要注目のポイントになりそうだ。

文・望月遼太

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