福島県喜多方市熱塩加納町熱塩の民家に侵入しているのが23日夜に見つかり、とどまり続けたクマ(体長約90センチ)は、発見から約21時間後の24日午後、麻酔で捕獲された。ただ、同市ではクマの目撃が相次いでおり、警戒が続いている。
クマが入り込んだ住宅(24日午後4時3分、喜多方市熱塩加納町熱塩で)
「追い出してもらい、ホッとしている」。クマの捕獲後、住人の男性(66)は 安堵(あんど) の表情を見せた一方で、「付近にクマはいっぱいいるが、冬に出るとは思わなかった」と驚きを口にした。
雪が降り積もる中、なぜ人里に出没したのか。福島大食農学類の望月翔太准教授(野生動物管理学)は「冬眠する場所を探しながら迷い込んでしまったと考えられる」と指摘する。住宅や小屋はクマにとって心地いい空間だとして「この時期でも戸締まりを徹底することが大事だ」と話した。
同市では今月2日にも空き家にクマが侵入する騒動があったばかりだ。今回のクマは人家から離れた山中に放たれたが、近くに住む自営業の男性(69)は「クマがまた戻ってくるかもしれないので心配だ」と話した。市は民家の周辺にクマを追い払う装置を設置するなどの対策を取るという。