
韓国南西部の空港で乗客乗員179人が死亡した旅客機の事故から一夜明けた30日、現場では、機体の調査などが続けられています。一方、韓国政府は、アメリカの当局と合同で事故原因の調査を行うと明らかにし、フライトレコーダーの解析を進める方針です。

韓国南西部のムアン空港で29日午前、タイのバンコクを出発してムアン(務安)空港に向かっていた韓国のLCC=格安航空会社「チェジュ(済州)航空」のボーイング737型機が胴体着陸し空港の外壁に衝突して炎上した事故では、乗客乗員181人のうち救助された乗員2人を除いて、乗客175人全員と乗員4人のあわせて179人が死亡しました。事故から一夜明けた30日、現場では機体の調査などが続けられています。韓国の国土交通省は30日午前に記者会見を開き、事故原因の解明に向けてアメリカのNTSB=国家運輸安全委員会と合同で調査を行う方針を明らかにし、機体から回収したフライトレコーダーとボイスレコーダーの解析を進める方針です。一方で国土交通省は、フライトレコーダーは一部が損傷していたことを明らかにしました。
これについて通信社、連合ニュースは、事故調査委員会の関係者の話として、損傷がなければ通常は1週間ほどで解析できるものの、今回の場合は1か月を要するのではないかとも伝えています。
アメリカの航空機メーカーのボーイングは声明を出しました。
この中でボーイングは遺族に対し哀悼の意を示した上で「われわれはチェジュ航空と連絡をとっていて彼らを支援する用意ができている」としています。
ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の職務を代行するチェ・サンモク(崔相穆)副首相兼企画財政相は29日夜、各省庁の担当者らを集めた会議を開き、来月4日までを国家の哀悼期間と定め、各地に犠牲者を悼む場所を設置するとともに、遺族の支援に全力を尽くす考えを示しました。

事故のあとの29日午後、ムアン空港のターミナルには安否の確認や身元の確認をするために旅客機に乗っていた人たちの家族が大勢集まっていました。集まった人たちはテレビやスマートフォンでニュースを確認していましたが、発表される死者数が増えるにつれて、涙を流したりうずくまったりする様子が見られました。また当局の担当者らが集まった家族に対して最新の状況などについて説明していましたが、一部の家族からはさらに詳しい状況を求める声などがあがっていました。
ターミナルにはテントが設置され、家族たちが待機していました。

