来秋ドラ1候補の創価大・立石正広「行くなら1位で…」3年生で侍ジャパン大学4番 明治神宮大会で大会新の10安打 – スポーツ報知

野球担当各記者の推し選手を紹介する「推しえて」第17回は、アマ野球から創価大・立石正広内野手(3年)。2年春に東京新大学リーグで打率5割、14打点、同リーグ最多タイの5本塁打を記録し、3冠王に輝いた。今年はリーグ戦で不調に陥ったが、11月の明治神宮大会では「3番・三塁」で2本塁打を含む大会新記録の10安打を放ちチームを準優勝に導いた。希代の強打者がドラフトイヤーの来年に懸ける思いを語った。(取材・構成=臼井 恭香)

3年生にして、侍ジャパン大学代表(24年7月のプラハベースボールウィーク、ハーレムベースボールウィーク)で4番を務めた試合もあった立石。すでに来秋のドラフト1位候補とも称されている。

「(小さい頃は)冗談半分で目標に『プロ野球選手』と書いていましたけど、年齢が上がるごとに難しいなって。高校でも一切考えなかったし、大学でもこんなに評価されていますけど、今、プロ野球を目指している、注目されていることがまだ不思議って感じはあります」

打球速度は世代トップクラスで、スカウトからも評価されている。今でこそ振る力には自信があるが、自覚したのは最近のことだ。

「小学生の頃はホームランを打っていなかったし、中学生なんか、なおさら。高校の後半から、人よりちょっとロングティーとかを飛ばせるなって感じだった。そこまで自分が速いという印象は持っていないですね」

この2年間で一躍全国区となった。自身でもその変化には驚きを隠せない。

「本当に運が良かった。2年の時にポポンと打てて、全国(全日本大学選手権初戦)でもたまたまホームランを打っちゃったので、そこから急に人生が変わった気がします。ジャパン候補なんかこれまで一回も入ったことなかったんですけど、2年の冬に(候補合宿に)呼んでもらって、3年でジャパンに行って急に自分が野球している世界が変わった。そこはすごい面白いなって思います」

今秋の明治神宮大会で10安打を放ち、大会最多安打記録を更新。準決勝では大会2号を含む3安打2四球で全打席出塁する活躍を見せ、創価大史上初の全国大会決勝進出に貢献した。要因の一つは大学で3学年上の先輩である巨人・門脇誠の姿勢だった。

「門脇さんはずっとチームの練習で一番に来て(人と)話さずにストレッチしていた。こういう意識の人がプロに行くんだろうなと思った。プレーでうまく自分の表現をするために、後悔するような準備だけはしないようにしています。門脇さんの影響が大きいと思います」

同大会では「門脇さんが大学の時に履いていて、かっこいいなと思って」と締め付けがなく、丈が短いユニホームを着用。今は憧れの門脇が守っていた遊撃へのコンバートに向け、練習を積んでいる。

「ずっと守りたかったですし、プロに行って三塁だと外国人選手が入ってきたりする。二遊間を守りながら長打を打てれば内野手としていいイメージがあったので。やっぱりプロに行くためにショートをやりたい」

以前からメジャー志向も持っている。来年7月、日米大学選手権が日本で開催されることが決まっており、再び代表に選出されれば未来のメジャーリーガーたちとの対戦が実現する。

「まずは選ばれないといけないですけど、もしできるとなったら投手はちょっと別物だと思う。モーションが少ないのにすごい球が来たりするので、一つの経験として蓄えられればいいかなと思います」

ドラフトまで1年を切った。謙虚に、自分のペースで目の前のことに集中しながらも大志を抱いている。

「行くなら1位で行って『やっぱり立石すごかったな』ってくらいの活躍を1年目からしたいですけど、それは入ってからなので。まずは順位とか関係なく、プロでできる体、技術をつけていこうと。その上で活躍していたら1位になれると思っています」

最高学年となる新チームでは、主将に就任した。感情を表に出すタイプではない立石にとって、人生で初めての経験。ラストイヤーへ懸ける思いが高まる。

「全国2位になったプライドというか、こんなところでつまずいていられないという気持ちでまずは春、絶対優勝するように引っ張っていければと思います。今まで通り、周りが助けてくれると言っているので、急に人格が変わったようにするようなことはなく、野球をしっかりお手本になれるようにやっていければいい」

◆立石 正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日、山口・防府市生まれ。21歳。華浦小1年から華浦スポーツ少年団で軟式野球を始め、高川学園中では高川学園シニアでプレー。高川学園では1年春の中国大会からベンチ入り。3年夏の甲子園1回戦・小松大谷戦でバックスクリーン弾。創価大では1年春からベンチ入り。2年春にリーグ3冠王。24年大学日本代表に選出。好きな選手はドジャース・大谷翔平。座右の銘は「恩返し」。50メートル6秒0。180センチ、86キロ。右投右打。

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