『納会』に姿を現した司組長(中央)。右には竹内若頭補佐が頭を下げて、出迎えている。「山口組分裂抗争」が10年目に突入した中、その表情は険しい
「親分が入ります!」 強面の男の野太い声が、12月の寒空の下に響き渡った――。12月中旬、静岡県浜松市の郊外に本部を構える二代目國領屋一家前の路上は、日の出前から物々しい雰囲気に包まれていた。早朝から高級車が次々と出入りし、六代目山口組の直参たちが物々しい表情で本部へと入っていく。朝7時半を過ぎる頃には、代理人も含めて全直参が顔を揃えた。 【画像】圧倒的オーラ…!頭を下げる幹部たちに見送られ納会の「会場入り」する司忍組長 日が高くなるにつれ、増えていったのはヤクザだけではない。周辺には地元・静岡県警はもとより愛知県警や京都府警、警視庁など日本各地から捜査員が集結。目視できただけでも50人以上が集まる超・厳戒態勢が敷かれている。 そんななか、時計の針が8時半に近づく頃、駐車場に直参や幹部が横一列に並び始めた。その1~2歩ほど前に立ち、列の前で首を長くしているのは竹内照明若頭補佐(64)だ。直参が集結し、捜査員も固唾を呑んで見守るなか、誘導係の冒頭の一言で、現場の緊張感はピークに達した。 黒塗りの高級車から降り立ったのは、六代目山口組の司忍組長(82)だ。 「この日、二次団体の二代目國領屋一家本部で開かれていたのは六代目山口組の『納会』です。かつては『事始め式』とも呼ばれていました。今年一年の振り返りと、来年に向けて親分と組員の結束を再確認するための式典です。とくに今年は、10月30日に無罪判決で釈放された幹部の五代目山健組・中田浩司組長も参加。勢揃いした直参も合わせて、近年の納会でも最大クラスの規模となりました」(山口組事情に精通するジャーナリスト) ◆宴会にはコンパニオンを呼んで…… この日の司組長は白いセーターにグレーのジャケットを羽織り、鮮やかな青いマフラーを身に着けていた。幹部らに見守られ足早に本部に入っていく表情は実に険しい。 納会では、髙山清司若頭(77)から司組長への挨拶があり、さらに’25年の組方針である「和親合一」が発表された。これは、’15年8月に『山口組分裂抗争』が始まって以降、直近では9年連続で同一の方針となっている。前出のジャーナリストは、 「改めて、抗争終結の意思を組内で共有した。会場入りする司組長の表情からも、その決意が見てとれた」 と分析する。会場内では午前10時頃からの納会に先立ち、『盃儀式』も執り行われた。この日は釈放された中田組長らが司組長と親子盃を交わしたという。さらに納会・盃儀式を終えると、会はコンパニオンを入れての『祝宴』へと移行した。 有料版『FRIDAY GOLD』では、納会の後に開かれた『祝宴』などの様子を多数の写真とともに詳報している。また、’15年から始まり、今夏に10年目を迎えた「分裂抗争」の現在地についても掲載している。
FRIDAYデジタル
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