鳥取城北を支える大黒柱ハロルド・アズカ「決勝はリベンジマッチ。アズカの100%を見せる」

「リベンジマッチだね〜!!!楽しみです。明日はアズカの100%を見せます。バケモンですよ。もう、楽しみです!!!」 鳥取城北の#28 ハロルド・アズカはこれ以上ないほど満面の笑みで、決勝進出を喜んだ。 「SoftBank ウインターカップ2024令和6年度 第77回全国高等学校選手権大会」の男子決勝のカードは、盤石の強さで勝ち上がった福岡大附大濠と、鳥取県勢として初の決勝進出を決めた鳥取城北に決まった。

【Softbankウインターカップ】大会特設サイトはこちら

準決勝第1試合では、大濠がインターハイ覇者の東山を圧倒。最終スコア84-58と、完成度の違いを見せつける圧勝劇は多くの観客を驚かせた。だが、第2試合で彼ら、彼女らはさらに驚くことになる。鳥取城北が福岡第一を圧倒したからだ。堅守速攻の代表格といえる福岡第一を、同じ堅守速攻をチームスタイルとする鳥取城北が真っ向勝負で打ち負かしたのだ。最終スコアは81-58だった。 終始圧倒していたわけではない。前半は41-34の7点差。2桁点差を付けてからも、4Q残り8分18秒には連続5得点を許して9点差に詰め寄られ、タイムアウトを要求している。 「福岡第一は僕も学生時代から知っているチームで、みんな憧れちゃうところを臆せずにプレーしてくれました。(プレー面では)オフェンスリバウンドに全員が絡んでくれたのが一番大きいと思います。(相手にリバウンドを取られて)走られるシーンが少なかったと思うので。アズカ以外の日本人選手も何本かオフェンスリバウンドを取ってくれたので、あれで(福岡第一が)走るきっかけは何とか消したかなとは思います」 河上貴博コーチがこう振り返るように、点差を詰められても再度引き離せたのは、ひとえに福岡第一らしさを出させなかったからだ。そして、その要因は河上コーチが言うリバウンドだった。トータル60-43、オフェンスリバウンドを見ても19-12とリードし、とにかく福岡第一を走らせなかった。 プレスへの対応も見事で、パスワークでの突破はもちろん、全体的にサイズとフィジカルがあるウィング陣がうまくプレッシャーリリースしたこと、アズカもボールキャリーができることなどが起因した。特にアズカの存在は鳥取城北の特異点だ。彼は昨年度のインターハイ直前に合流してすぐに活躍し、今年度は名実共に鳥取城北の大黒柱に。この試合でも18得点、19リバウンド、3アシスト、2スティール、4ブロックと攻防にフル稼働だった。また、オフコートでもチームメイトと他愛ない会話をする中ですぐに日本語を覚え、この記事のインタビューも全て日本語で済ませている。

アズカの武器は何といってもその万能さ。ゴール下のパワフルさはもちろん、ハンドリングと3Pシュートを高水準でこなせるところは、他の留学生との大きな差だ。「日本に来るまではスモールフォワードとパワーフォワードをやっていて、好きな選手はジェイソン・テイタム(セルティックス)です。自分と同じくらいの身長でシュートもうまいしドライブもうまいし、ポストプレーもできるし。アズカはもっとハンドリングが欲しかった。世界でも日本人はめちゃくちゃハンドリングがうまいです。それにナイジェリアよりも高校生のレベルは日本の方が高いと思います」。アズカは自身のプレースタイルと来日の理由を話してくれた。 アズカが時にボール運び、時にポストアップ、そして時にはシューターとなったことで福岡第一は彼の対応に追われ、その隙に#6 伊東和真や#8 新谷勇晴、#14 新美鯉星といった選手たちが速攻に走り、3Pシュートを決めていった。河上コーチはインターハイ後、「アズカに頼り切らない」バスケを冬への課題の一つに挙げていたが、アズカの存在自体が、彼に頼らないバスケを構築する上でのカギだったように見えた。 決勝の相手である大濠とはインターハイの準々決勝で対戦し、大激戦の末に56-66で敗れている。冒頭のアズカの言葉どおり、今日の決勝戦は彼らにとってはリベンジマッチだ。「チャレンジしないんだったら面白くないです。それがいいです」。アズカは力を込めた。 決勝戦はこの後、12時ティップオフだ。

ウインターカップ特大特集の『月刊バスケットボール2025年2月号』は好評発売中!

詳細は表紙画像をクリック!

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *