ある人物との出会いをきっかけに、Bはさらに転落していく。
Bは働いていた会社との間で給料が未払いとなるトラブルを抱えた。すると母親が知り合いのH氏に相談。そのH氏が連れてきたのが山口組系暴力団組長のS氏だった。Bは次第にS氏と付き合いを深めていく。息子が更生の道から外れていく姿を、母親は黙って見ているしかなかった。
記者「息子さんを止めようとはしなかったんですか?」
母親「私が止めても難しいので、本人の判断に任せようと思いました」
記者「コンクリート詰め殺人事件のことをS氏は知ってた?」
母親「息子が自分で言ったみたいです。S氏が息子を連れ歩いているときに『こいつは、コンクリの人殺した奴だよ』ってみんなに言いふらしていたらしいです。それは本人が言っていました。どこに飲みに行っても、そういう言い方をすると」
記者「本人は嫌そうでしたか?」
母親「はい。でも誰も友達がいないから、誘われると行っていたみたいです」
再犯時の監禁現場となったBの母親のスナック(埼玉県三郷市)撮影去年11月
私宛の手紙の中で、再犯事件の被害者も暴力団関係者であり、被害者の言動がきっかけで思わず暴力をふるってしまい、監禁するつもりはなかったとBは主張した。
事件の動機について、判決では、Bが好意を寄せていたジムのインストラクターの女性と被害者の男性が交際していると思い込んだためとしている。
Bが好意を寄せていた女性は、取材にきっぱりと語った。
ジムの女性インストラクター
「私がBと交際していた事実はありませんし、被害者の男性については名前すら知りません。しかしBは、私に、知らない人の名前を挙げて、『この人間と付き合うな、遊ぶな』などと意味不明なことを言っていました」
Bが記者に宛てた手紙