将棋の「女流棋士発足50周年記念パーティー ~WEST~」が21日、新しい関西将棋会館が誕生した大阪府高槻市内で開催された。
今年6月に東京で行われた記念会の関西版。関西所属の女性棋士のほか、谷川浩司十七世名人、豊島将之九段、山崎隆之八段らも出席した。
1974年に1タイトル(女流名人戦=報知新聞社主催)、6人で産声を上げた女流棋士界だが、現在は現役で日本将棋連盟に87人、LPSA(日本女子プロ将棋協会)に18人が所属するまでに発展した。日本将棋連盟の女流棋士会会長・山田久美女流四段は「多くの女流棋士が育ってきたのも、皆様のおかげ」と出席したファン、関係者ら約150人に感謝した。
VTRメッセージでは羽生善治会長が「様々なキャリアを積んでいかれることを期待しています」。藤井聡太七冠は「私も中継で見るのですが、対局的にも面白く、近年の著しい技量の向上を実感しています」とコメントを寄せた。
記念のペア将棋では山口仁子梨(にこり)・稀良莉(きらり)の女流一級姉妹と、森信雄七段門下の大島綾華女流二段&佐々木海法(みのり)女流初段の姉妹弟子の“姉妹対局”で早指し。後手の山口姉妹が84手で勝ち、大島は「本当の姉妹には勝てなかった…」と苦笑いした。
パーティーの締めは谷川があいさつ。創始期と比べ、半世紀を経た女流棋士の棋力を「角一枚、それ以上強くなっていると思います」と表現した。
関西所属を代表する女流五冠の福間香奈女流名人は産休のため不参加だったが、谷川は「加藤桃子(女流四段)さんは大丈夫ですが、それ以外の若い人の顔と名前が一致しない。私たちオジサンが分かるぐらいに活躍してほしい」と珍エールで会場を沸かせ、「関西の(男性プロの)棋士は優しいので、棋士室に飛び込んで来て欲しい」と呼びかけた。