千葉ロッテマリーンズ・佐藤都志也選手(左)友杉篤輝選手(右)【写真:球団提供】
2024シーズンは71勝66敗6分、勝率.518の3位で終え、2年連続のAクラス入りを果たした千葉ロッテ。本記事では投手編、野手編に分け、千葉ロッテの2024シーズンを振り返る。
今季は、佐藤都志也選手、ポランコ選手、ソト選手が規定打席に到達。昨季規定打席に到達した安田尚憲選手が55試合、山口航輝選手が51試合と出場機会を減らしたが、友杉篤輝選手が125試合、小川龍成選手が119試合出場と、キャリアハイを記録した。 結果的にはチーム打率.248(2位)75本塁打(3位)出塁率.312(2位)の成績。一方で併殺打はリーグワーストの105と課題もみられた。守備は前年の83失策から71失策と改善。ポジションは固定できなかったものの、ミスが減ったことは大きな収穫だ。
今季の千葉ロッテで最もブレイクしたのが佐藤選手だ。4月15試合で打率.378を記録。5月は20試合で打率.224に終わったが、6月から持ち直すなど、前半戦終了時点で打率.298の成績を残し、オールスターに初出場。第2戦では球宴タイ記録となる5安打を放ち、MVPに選出された。同球団の選手が球宴MVPに輝いたのは、1989年の村田兆治投手以来35年ぶり。 後半戦は打撃不振に苦しんだが、結果的には116試合で452打席に立ち、自身初の規定打席に到達。リーグ4位の打率.278も記録し、捕手としてベストナインにも輝いた。オフには、第3回プレミア12の日本代表にも選出されるなど、飛躍の1年を過ごしている。
昨季本塁打王に輝いたポランコ選手は、118試合に出場。打率.243、23本塁打で3年連続20本塁打に到達するなど、例年通りの活躍を見せた。今季は5月に打率.200、1本塁打と苦しんだが、好不調の波も少なくシーズンを完走。打線の軸として活躍を続け、中でも東北楽天戦は20試合で打率.309、7本塁打15打点の大暴れを見せた。
今季から千葉ロッテに加入、NPB7年目のシーズンを迎えたソト選手は、132試合で打率.269、21本塁打、88打点の成績をマーク。自身3年ぶりの20本塁打に到達した。6月末時点では打率.258、8本塁打だったが、7月に月間打率.308、6本塁打を記録。8月は打率.220、0本塁打と苦しむも、9月に打率.338、7本塁打と状態を上げ、チームのAクラス入りに貢献した。
2022年ドラフト2位の友杉選手、2020年ドラフト3位の小川選手がキャリアハイの出場数を記録した。 ルーキーイヤーの昨季、64試合で打率.254の成績を残していた友杉選手は、今季も開幕一軍入り。遊撃手として124試合に出場するなど、レギュラーとして出場を続けた。最終的には125試合で打率.206と打撃に課題はみられたが、シーズンを通して一軍に帯同した。
小川選手は、二塁手としてチーム最多の98試合に出場し、遊撃手としても33試合で守備に就いた。藤岡裕大選手との併用でポジションは固定されなかったが、流動的な起用に応える活躍。結果的には119試合で打率.241、出塁率.317と、いずれもキャリアハイの成績を残した。中でも7月は打率.386、サヨナラスクイズも決めるなど、印象に残る活躍を見せている。
11年目の
岡大海
選手は、規定打席にわずかに届かなかったものの、103試合でキャリア最多の420打席に立ち、打率.287、7本塁打、OPS.806の好成績をマーク。6月30日にはNPB新記録となる8試合連続二塁打を記録すると、オールスターにも初出場を果たし、2戦連続で本塁打を放った。
プロ18年目、37歳の
角中勝也
選手は、84試合で打率.280、OPS.774と一定の成績。月間打率3割超えを4度記録するなど、さすがの打撃でチームを支えた。
38歳のシーズンを迎えた
荻野貴司
選手は、7月半ばに右足のけがで離脱したが、8月頭に一軍復帰。80試合で打率.279、出塁率.321の成績を残し、シーズンを通して一軍の戦力となった。
2022年に盗塁王に輝くなどブレイクしたが、昨季は右肩のけがの影響で一軍出場なしに終わった
高部瑛斗選手。今季は5月18日に2年ぶりの昇格を果たすと、5月は打率.294、6月は打率.307の成績を残し、一軍で躍動。7月には30安打を放つなど、打率.405、出塁率.457と圧倒的な数字を記録し、自身初の月間MVPに選出された。最終的には76試合で打率.300、1本塁打、出塁率.348の好成績を残し、復活を印象づけている。
昨季まで二遊間を組んでいた中村奨吾選手、藤岡裕大選手はそれぞれ三塁手、二塁手にポジションを変えて今季に臨んだ。 中村選手は433打席と規定には惜しくも届かなかったが、三塁手のレギュラーとして活躍。4月は打率1割台、5月も2割前半と苦しんだが、交流戦をきっかけに状態を上げ、6月は打率.306を記録した。最終的にはチーム3位の120試合に出場。打率は.234と苦しんだが、7年連続100試合出場を果たすなど、離脱することなく出場を続けた。
藤岡選手は試合間隔を空けることもあったが、ほぼ通年で一軍に帯同し、90試合で打率.256、出塁率.354、キャリアハイに並ぶ5本塁打をマーク。中でも打撃不振に苦しむ選手が多かった8月に打率.333を記録し、チームを引っ張った。出場試合数が100試合に届かなかったが、来季は4年ぶりの100試合出場に期待したい。
藤原恭大
選手はオープン戦で骨折して出遅れ、6月末に今季初出場。昇格後は出場を続け、結果的には74試合で打率.290、出塁率.364、OPS.749と打撃面でキャリアハイの成績を残した。
ブレイクした選手がいる一方で、昨季まで一軍で出場を続けていた安田尚憲選手は55試合、山口航輝選手は51試合と、打撃不振に苦しみ出場機会を減らした。打撃面で期待されている2選手は、来季こそ完全なブレイクを果たせるか。
茶谷健太選手、和田康士朗選手は88試合に出場したが、ともに打率1割台と定位置奪取とはならず。ドラフト1位ルーキーの上田希由翔選手も21試合で打率.259の出場にとどまった。
2020年からの5シーズン中、4度のAクラス入りを果たしている千葉ロッテ。若手と助っ人が活躍し、ベテランが支えるなど、選手層は厚くなったと言えるだろう。来季はさらに激しい定位置争いを繰り広げ、チーム力を底上げし、2005年以来の優勝をつかみ取れるか。 文・東海林諒平
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