【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月24日の動き) | NHK

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ軍は、ロシアが北朝鮮の兵士らにロシア人だと偽った軍用の証明書を持たせ、北朝鮮の部隊がロシア西部に派遣されているのを隠ぺいしようとしていると非難しました。ウクライナ軍は22日、越境攻撃を続けているロシア西部クルスク州での戦闘で、死亡した北朝鮮の兵士3人が持っていたとする軍用の本人証明書をSNSで公開しました。証明書には顔写真がついておらず、名前はロシア語の表記になっていて、出生地はモンゴルと国境を接するロシア国内のトゥバ共和国と記されています。

ただ、署名部分だけは朝鮮語で書かれているということで、ウクライナ軍は「ロシアは外国の部隊の存在を隠ぺいしようとあらゆる手段に訴えている」と非難しています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、EU=ヨーロッパ連合の加盟国のスロバキアのフィツォ首相が、ロシアのプーチン大統領と会談したことについて「なぜこの指導者は、こんなにもロシアを頼るのか」とSNSで強く批判しました。スロバキアは、ロシアからの天然ガスに頼っていますが、2025年1月以降は、天然ガスが通過するウクライナがロシアとの輸送契約を延長しないとしていて、フィツォ首相はガスの供給の維持について話し合ったとしています。

ウクライナ侵攻後では、EU加盟国ハンガリーのオルバン首相もことし7月にロシアを訪れています。

ゼレンスキー大統領は23日、ロシア西部でのウクライナ軍との戦闘による北朝鮮軍の兵士の死傷者が3000人以上に上ると指摘しました。

ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部のクルスク州では、およそ1万1000人の北朝鮮軍の兵士がロシア軍とともに展開しているとされています。こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は23日にSNSで、クルスク州でのウクライナ軍との戦闘による北朝鮮軍の兵士の死傷者が3000人以上に上ると指摘しました。ゼレンスキー大統領は、軍のシルスキー総司令官から報告を受けた数だとしたうえで「残念なことに、世界はロシアと北朝鮮の犯罪的な協力に対抗するためほとんど何もしていない」として、世界各国に対抗措置をとるよう訴えました。

クルスク州での北朝鮮軍の兵士の死傷者について、韓国の情報機関は12月19日に、およそ100人が死亡し1000人が負傷したとの見方を明らかにしていましたが、今回のゼレンスキー大統領の指摘は韓国の見方を大きく上回る死傷者が出ている可能性を示すものとして注目されます。

ウクライナ国防省の情報総局は23日、ロシアがウクライナへの攻撃に使用する無人機の部品を保管していた倉庫が破壊され、ロシア軍の損失は1600万ドル、日本円で25億円余りに上るとみられると発表し、「テロリストであるロシアの軍産複合体に新たな打撃を与えた」としています。それによりますと、破壊された倉庫はロシア中部のタタルスタン共和国にある「アラブガ経済特区」にあり、無人機65機分の機体やエンジンなどのほか、400機分の赤外線カメラが保管されていましたが、火災で焼失したとしています。ただ、ウクライナが攻撃したかどうかについては明言していません。

一方、ロシア国防省は23日、ウクライナ東部のドネツク州でロシア軍が1つの集落を掌握したと発表したほか、22日には東部のハルキウ州とドネツク州でそれぞれ1つの集落を掌握したと発表し、ロシア軍の攻撃が続いています。

ロシアと北朝鮮は、有事の際の軍事的な支援などを明記した包括的戦略パートナーシップ条約を締結し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに北朝鮮が兵士を派遣するなど、軍事面での関係強化を深めています。こうした中、ロシア国営のタス通信によりますと、ロシア大統領府のウシャコフ補佐官は23日、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝うため、2025年5月9日に首都モスクワの赤の広場で行われる「戦勝記念日」の軍事パレードに北朝鮮軍が参加する可能性があることを明らかにしました。

ウシャコフ補佐官は、報道陣から軍事パレードに北朝鮮軍が参加するか質問され「そうだと思う」と答えたということです。

軍事パレードへの北朝鮮軍の参加をめぐっては、11月にロシアのベロウソフ国防相が北朝鮮を訪問してキム・ジョンウン(金正恩)総書記と面会した際に期待感を示していました。

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