<日本レコード大賞>歌唱前、笑顔を見せるMrs.GREEN APPLE(撮影・藤山 由理)
◇第66回日本レコード大賞 「第66回日本レコード大賞」(主催日本作曲家協会)の最終審査会が30日、東京・初台の新国立劇場で行われ、ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE」の「ライラック」が大賞に輝いた。2年連続受賞は2017、18年の乃木坂46以来9組目で、バンドとしては史上初の連覇。最優秀新人賞はマルチクリエーターとして活躍するこっちのけんと(28)が受賞した。 ミセスが日本のバンドシーンに大きな足跡を残した。大賞が発表された瞬間、ボーカル&ギターの大森元貴(28)の両肩を、左右にいたギターの若井滉斗(28)、キーボードの藤澤涼架(31)が揺らすようにして喜んだ。大森は「メンバーにもスタッフにも支えられて本当に楽しい一年でした!」と充実の表情。受賞後のパフォーマンスでは、歓喜の涙とともに喜びを全力で表現した。 男性アーティストの連覇は、2008〜10年のEXILE、14、15年の三代目 J SOUL BROTHERSに続く3組目の快挙。バンドとしては初の連覇となった。 受賞作の「ライラック」は思春期に感じた思いを大人になっても忘れないという意思を描いた詞と、爽やかでアップテンポなメロディーの一曲。4月に配信が開始されると、サブスクリプション(定額聴き放題)のヒットの基準とされる再生回数1億回を自己最速の約2カ月で突破。現在までにその数字を3億6900万回まで伸ばしている。 「ケセラセラ」で大賞に輝いた昨年の勢いそのままに駆け抜けた一年だった。全ての詞と曲を1人で手がける大森が、クリエーターとしての才能を遺憾なく発揮。「ライラック」から5カ月連続で新曲を発表し、うち3作が1億回再生を達成した。持ち歌の1億回突破曲数も、国内単独1位の21曲。また、日本のバンド史上最年少のスタジアムツアーを敢行し、ファンの年齢層も大きく広がった。 来年はデビュー10周年の節目を迎え、「MGA MAGICAL 10 YEARS」と題した巨大プロジェクトを始動させる。横浜港の山下ふ頭で開く自身最大規模の野外コンサートや、22年に3人体制となってから初のベストアルバム「10」を発売予定。さらに、初の韓国での単独公演も控え、活動の場を広げていく。 きょう31日には2年連続でNHK紅白歌合戦に出場。充実の一年を締めくくり、景気よく10周年イヤーに突入する。(高原 俊太)
▽Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル) ボーカル&ギターの大森元貴(28)、ギターの若井滉斗(28)、キーボードの藤澤涼架(31)の3人組。2013年に結成し、15年に5人体制でデビュー。5周年の20年7月に活動休止し、22年3月に3人体制で再始動した。今年10月にKアリーナ横浜で8日間公演を開催。バンド名は「いつまでも熟さない青リンゴのような気持ちでやっていたい」という思いから名付けた。