宅地建物取引士の試験を1発合格した元巨人、DeNAの宮国椋丞氏(右)と宅建講師の小沢梨恵氏(本人提供)
<We love Baseball> 野球界から不動産業界へ-。元巨人、DeNAの宮国椋丞氏(32)が、宅地建物取引士(宅建士)の試験を1発合格した。昨オフにDeNAから戦力外通告を受け、現役を引退。野球界を離れ、現在は主に不動産業に従事しながら、4月から勉強を開始。1日約2~3時間机に向かって、試験直前は10時間以上の猛勉強で見事に突破した。 【写真】巨人時代の宮国椋丞氏 「ホッとしているのが正直な気持ちですし、応援やサポートしてくださった方々に感謝したいです。これからがスタートなので、より一層頑張りたいなと思います」 恩返しの思いを胸に、不動産業への転身を決断した。10年ドラフト2位で巨人に入団。3年目には開幕投手を任され、脚光を浴びたが、13年間で227試合に登板し、22勝22敗1セーブで現役生活を終えた。「先輩方への恩返しを考えた時に、野球以外のことを学んで、いろんなサポートができればいいなと思った」と新たな道を選択した。 「やるからにはまずは宅建の資格を取ろうと。試験は年に1回なので、1発で合格すると覚悟を決めて、勉強を始めた」 試験勉強のサポートをしてくれたのは、宅建講師の小沢梨恵氏だった。試験勉強は高校3年の定期試験以来。不安も抱えたが、小沢氏を知人から紹介され、週に1回講座を受けた。「難しい言葉もあるんですけど、頭に入ってきやすくというか、わかりやすい言葉に変換して、教えてくださった。1回目で合格できたのは先生のおかげです」と感謝した。 弱肉強食のプロ野球の世界で培った集中力、精神力も発揮された。「負けたくないという気持ちはありましたし、相当な覚悟を持って臨んだ。一発勝負じゃないですけど、この1回の試験に懸ける思いは強かったです」と合格率13%~18%とも言われる難関試験を1発で乗り越えた。 プロ野球では今季、自身も所属した巨人がリーグ優勝し、DeNAはシーズン3位からCSを勝ち上がり、日本一を達成した。「知ってる選手が頑張ってる姿は励みになりましたし、うれしかった。僕ももっと頑張ります」。引退から1年、新たな世界で第2の人生を切り開いていく。【久保賢吾】 アスリートの華麗なる転身 ◆医者 プロ野球で元広島のゲイル・ホプキンス氏は75年に33本塁打、91打点でリーグ初優勝に貢献。広島時代は医学書をベンチに持ち込み、引退後は米シカゴのラッシュ医科大で整形医学を学び、博士号取得。 ◆弁護士 JリーグのG大阪などでプレーした八十祐治氏は、31歳から司法試験の勉強を開始。4回目の受験となった05年に合格。 ◆公認会計士 プロ野球で元阪神の奥村武博氏は、4年の現役生活を経て、アルバイトや会社員として働きながら勉強。9年かけて公認会計士の試験に合格。元巨人、楽天で通算83試合登板の池田駿氏は21年の引退後、23年に合格した。 ◆ノーベル賞 英国の陸上選手だったフィリップ・ノエル・ベーカー男爵は、1920年アントワープ五輪男子1500㍍で銀メダル。その後は英国の国会議員として、軍縮による平和推進に尽力。56年にノーベル平和賞受賞。世界で唯一、五輪のメダルとノーベル賞の両方を持っている。
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